なぜそうなるか
「賞味期限を過ぎても品質が保たれていることがある」——これは説明ではなく、法令の定義そのものに書かれています
「賞味期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではない」。よく聞く説明です。
これが法令の定義そのものに書き込まれていることを、ご存じでしたか。
消費者庁のガイドラインが、条文を枠で囲んで引いていました♪
消費期限の定義
「過ぎても大丈夫なことがある」は、誰かの解釈ですか。
賞味期限については、定義そのものに書かれています。解釈ではありません。
ガイドラインが引いている条文から、まず消費期限です。
「安全性を欠くこととなるおそれがない」期限です。ただし書きはありません。定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質 の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を 示す年月日をいう。
賞味期限の定義
定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の 保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。
そして、ここに続きがあります。
このただし書きが、賞味期限の側にだけ付いています。ただし、 当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていること があるものとする。
2つを並べます
| 定義の中身 | ただし書き | |
|---|---|---|
| 消費期限 | 安全性を欠くおそれがないと認められる期限 | 無い |
| 賞味期限 | 期待される全ての品質の保持が十分に可能と認められる期限 | 有る(超えても保持されていることがある) |
これが分かると、何が変わるか
賞味期限を過ぎた食品について、「すぐに食べられなくなるわけではない」という説明を当サイトはこれまで何度か引いてきました。農林水産省のページにも、東京都のFAQにも、ガイドラインにも出てきます。
同じ説明が3か所に出てくると、どれかが元でどれかが写しに見えます。実際には、どれも元ではありませんでした。
元は定義そのものでした。だから3か所とも同じことを書いていたわけです。説明が揃っているのではなく、定義を受けているのです。
そして消費期限の側にこの一文が無いことも、同じ理由ではっきりします。書き忘れではなく、定義が違うのです。
当サイトは以前、東京都が消費期限について「食べることはおすすめできません」と書いていて、賞味期限の側には条件つきの但し書きが付く、という非対称を紹介しました。その非対称の出どころが、ここにありました。
読み方としては、賞味期限のただし書きを消費期限に当てはめないこと。それが定義の段階から分かれている、ということになります。
条文そのものは、まだ引けていません
当方が読んだのは、ガイドラインが枠で囲んで引用している部分です。食品表示基準の条文そのものには、まだ当たっていません。
・賞味期限の定義にただし書きが付いている
・「当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする」
・消費期限の定義には無い——書き忘れではなく、定義が違う
・どちらも「定められた方法により保存した場合において」が前提
・条文そのものは、当サイトはまだ引けていない
あわせて消費期限を過ぎたものについて、東京都は「おすすめできません」と書いていますと消費期限と賞味期限を「5日」で分ける考え方は解消されていますもどうぞ。
よくある質問
消費期限を過ぎても大丈夫なことはありますか
定義には書かれていません。ただし書きが付いているのは賞味期限の側だけです。
「期待される全ての品質」とは何ですか
定義の中では説明されていません。当方も、それ以上は書けません。
ただし書きがあるなら、過ぎても平気ということですか
「ことがあるものとする」です。必ずそうだとは書かれていません。そして未開封で保存方法を守っていることが前提です。
出典
- 消費者庁「食品期限表示の設定のためのガイドライン」(令和7年3月・消費者庁 食品表示課)が引用する食品表示基準 第2条第1項第7号・第8号 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_260401_30.pdf (消費期限と賞味期限の定義/賞味期限のただし書き)